──選んだ責任はずっと肩に乗っていた。
『多くのものを踏みつけて、多くのものを置き去りにして、それでも自分を肯定できる“何か”がある』
──置き去りにしないよう手を伸ばして。
『人から見れば、取るに足らない、くだらない理由でも。それだけを信じている。それだけが信じられる』
──取りこぼさないよう抱きしめた。
『鐘の音は、やがて自らの内に響くでしょう』
──明日も、明後日も、その先も生きるために。
『じゃあ、輝ける星の話も?』
──あの子も、君も、私も。
『ああ。君のそういうところ、僕は本当に嫌いだなあ』
──一等輝ける星を追いかけたんだ。
これは、君との再会の物語 拾陸
夏油の皮を被った“何か”と対峙する五条は迫り来る特級呪霊を一度のモーションで祓う。瞬く間に塵と消えゆく呪霊の先に佇む男へ、今度は五条から距離を詰めた。
「さっさと答えろ。お前は誰だ」
「しつこい男は嫌われるぞ、悟」
「だから……、」
組まれる指先。解放される呪力。
「お前が僕の名前を呼ぶなって言ってんだよ」
コンクリートを抉り、ビルを薙ぎ払うほどの圧倒的な威力。しかしそれでも男を仕留めることは出来なかった。トン…と重力を感じさせないよう柔らかく地面に着地し、視界を覆う土煙を腕の一払いで一掃する。明瞭になったその先で、夏油を名乗る男は頬をグッと吊り上げて嗤っていた。
「さっさと答えろ。お前は何者だ」
蒼眼がひたりと夏油を捉える。二人の間を風が吹き踊った瞬間、男は額に手を伸ばして指先でそれを摘まむ。ピーッと引っ張り、そして。
菓子缶の蓋のように、頭をパカっと取った。
「何で分かったんだよ」
眉間に皺を寄せながら嘲笑う男の頭部には剥き出しになった脳には口のようなものがあり、ギラリとした歯が並んでいる。
あまりにも異常な事態に五条は今度こそ目を瞠ってそれを見た。
「お前…何だ…?」
男はニィ…と不気味に笑った。
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呪いを浴びても立ち続ける立香を、真人は今度こそ気味が悪い眼差しで見つめた。その間にも己の魂は黒白の稲妻に囚われ続け、今この瞬間もギチギチと締め付けてくる。しかも無理に魂の形を変えたせいでより限界が早まった。
「…クソが」ああちくしょう、眩しいモンを見たせいで目が焼けて仕方がない。人の負の感情から生まれた自分にとって、彼女の在り方に近づけたからこそやり難くなる。
善も悪も丸ごと包み込んでしまえる彼女の傍は、どうしてこんなに居心地がいいのだろうか。
「何で、そこまでしてあの人間を探してんの?」
「なんでって…わたしのだいじな後輩だから」
「…え、それだけ